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100人でつなぐ、補う

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 丹波市で先日行われた、市内をめぐる100㌔のコースを、100人がタスキをつなぎながら走破する「100人駅伝」を取材した。若者有志でつくる実行委員会による催しで、今年で2回目。子どもから年配の方、本格派ランナーから運動不足のお父さんまで幅広い参加者たちが、自分の運動能力にあった距離を補い合い、自分のペースで走りながらタスキをつないだ。  1日がかりのイベントで、スタッフの人数も限られている。コースを間違える、次のランナーが中継ポイントにいないなど、運営上の小さなミスはその都度、臨機応変にスタッフや参加者自身が助け合い、補いあったという。実行委員会の代表が、「その一つひとつの“ドラマ”に感動した」と語ったのが印象的だった。閉会式に集まった参加者たちの、達成感からくる笑顔がとてもさわやかだった。  その翌日は、村の日役で排水溝の清掃。じょれんで土を上げていると、おいちゃんがポツリ。「あと10年したら、何人日役に来とってやろ」。補ってほしいところに補える人がいない。地域社会ではそんな現実がもう迫っている。  丹波市豪雨災害のボランティアに行った際、グループリーダーが、「1人で100歩を歩くより、100人で1歩を踏み出す方が難しい」と話していたのを思い出す。地域全体が同じ方向に向かって1歩を踏み出せれば理想的だが、まずはたくさんの人が地域に関わり、つないでいく空気をこれまで以上に意識しなければならなくなった。「100人駅伝」のように、いろんな世代が一つの目的に向かって集まる機会は貴重になってくるだろう。(芦田安生)

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