作業場の向かいには田んぼ。2カ月近くブルーベリーを選別、パック詰めしながら眺めていた。ブルーベリーが始まった頃は、まだ青々とした若い稲が真っ直ぐ空に向かって立っていたのに、今はもう黄金色に色づき、たわわに実った稲穂が重そうに風に揺れている。
そんな風景を見ながら「この夏、たくさんの人が色んな所に出掛けたり、遊びに行ったり。うちにも遠くからたくさん摘みに来てくれたねぇ」とパック詰めをしている母ちゃんが呟くと、「オレ、この2カ月で出歩いたの、草刈り機のオイル買いに行っただけや」と父ちゃんが呟く。「私はここと、(納品に行く)やながわさんと、ヤマトの営業所とスーパーの3カ所もグルグル回ってるで。あんた、市島から脱出ならず?可哀想に」と大笑いしながら慰める。
折しも夏休みも終盤。ブルーベリーを手の平に乗せ続け、お盆に手を合わせることも出来なかったし、気分転換に、2週間ほど宇治へ行っている子供たちを迎えに行こうと、父ちゃんと夜のドライブへ。丹波に出る直前に恒例の?3カ所巡り。荷物を出して、やながわさんへ納品。宇治へ行くと話すと、それならと、うちのブルーベリーがたっぷり入ったロールケーキを手土産に持たせてくださった。近所のおばちゃんに手を振って、スーパーで買った巻き寿司を頬張りながら京都へGO!トンボ返りの帰省となったが、思い出をたくさん心に詰め込んだ子供たちと賑やかなお喋り満載のドライブをしながら丹波に帰ってきた。
(古谷 暁子・ブルーベリー農家)
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