写真・早川徳次の伝記や言葉をまとめた「早川徳次伝」
兵庫県丹波市春日町野上野で著述・出版業「あうん社」を営む平野隆彰さん(68)が、シャープ創業者の早川徳次の伝記と言葉をまとめた『シャープを創った男―早川徳次伝』を同社から発行した。2004年に日経BP社から発行した平野さんの著書を復刻したもので、あわせて早川の味わい深い言葉をまとめ、1993年に発行した『百秒百話 わらく』を合本した。絶版になった伝記の復刻を求める声が寄せられたのを受けて発行した。平野さんは「早川の“真の企業家魂”は今も学ぶことが多い」と話している。
早川は明治26年(1893)、東京の生まれ。家族運に恵まれず、小学校を2年で中退し、金属加工の町工場に住み込みの奉公に出た。18歳のとき、バンドのバックルを発明し、独立。大正4年(1915)にシャープペンシルを発明した。業績を伸ばしたが、大正12年の関東大震災で妻と子ども2人を失い、工場も焼失した。大正14年、鉱石ラジオの組み立てに成功、量産した。昭和26年(1951)、テレビ受像機の試作に成功。2年後、国産第一号の白黒テレビを製造販売した。
不遇な生い立ちもあって、福祉への関心は強く、大阪盲人協会からの依頼を受けて失明した軍人のための工場の運営を支援。昭和29年には従業員の家族や近隣住民のための育徳園保育所を開設、みずから園長に就任した。昭和55年、死去。
平野さんは、先に出した伝記に筆を加え、『わらく』からは収録した百話の中から50話を抜き取った。2000円(税別)。アマゾン、喜久屋書店(柏原町母坪)で。平野さん(TEL090・4491・5250)。
自分史講座 参加者募る
「あうん社」代表の平野隆彰さんは、丹波市春日町野上野の同社で9月に計3回の自分史講座を開く。受講者を募っている。自分史の書き方や編集・出版について教える。
予定では9月6日、13日、20日の午後2時からだが、日時は相談に応じる。受講料は3回通して5000円。少人数でも受け入れる。
平野さん(TEL090・4491・5250)。
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