丹波市立植野記念美術館(兵庫県丹波市氷上町西中、0795・82・5945)で「原田泰治が描くにっぽんの童謡・唱歌展」が開かれている。原田さんは日本の素朴画家の第一人者。童謡・唱歌の中に歌い込まれた全国各地の風景のほか、同市内の風景画の新作1点も展示されている。11月12日まで。
90点を展示。新作の風景画は、原田さんが5月の連休中に、市内を回って構想を練り、青垣町大稗でスケッチした40号の「静寂な集落」。「茅葺き民家を偲ばせるトタン屋根、コイノボリ、川のせせらぎが聞こえる懐かしい日本の風景が手つかずのまま残る」と解説。原田さんは、足の不自由な少年時代、山の高台から下界を眺め「鳥の目」をもらう一方、友だちが自由に遊びまわるのを切り株に座って待つ間に花や虫を観察し「虫の目」を養ったという。そんな少年時代に見た動物や昆虫をユーモアに表現した絵や、「切り抜き重ね絵」という新しいテクニックを駆使した作品も展示している。
同美術館は、「思わず歌が口から出てくるような、ふるさとの風景を描いた作品をゆっくり見てほしい」と話している。
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