「折り鶴の一羽一羽や日脚伸ぶ」―。
俳句に長年親しんでいる市島町中竹田の吉見よしゑさん(93)が、「全国俳句大会」(公益社団法人俳人協会主催)で選者特選に輝いた。同協会で会長を務める大串章さんが、吉見さんの作品を選んだ。吉見さんは「とにかくびっくりしたけど、光栄なことです」と喜んでいる。
全国から1万3788句の応募があった。39人の選者が選考に当たった。
吉見さんは現在、居宅介護支援施設「厚ニコニコハウス」(福知山市厚中町)で生活している。選者特選に入った句は、今年2月の作品。同じ施設で生活する100歳近くの女性が折り鶴作りを日課としており、丁寧に鶴を折る女性の姿と、春に向かって伸びる日脚の長さを重ね合わせた。
福知山市出身で、結婚を機に市島町に嫁いだ。1958年、地域の同年代の女性とともに、日々の思いを表現する場として、俳句に親しむ「ほほえみ句会」を作った。同町にある西山酒造場を経営し、俳人としても有名な西山泊雲の子・西山小鼓子(謙三)さんを講師に迎え、月に一度、俳句を学んだ。「それまで俳句なんて作ったことがありませんでした」と笑う。
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