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歳月を重ねて

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 コープこうべ発行「ステーション」6月号に俳優の曾我廼家文童さんのインタビュー記事が載っていた。その中で、二人のお子さんが自立して、今は奥さまと二人暮らしの曾我廼家さんは、このごろつくづく奥さまが愛おしく、「愛おしい」という言葉の重みが感じられるようになってきたと言われていた。  私も子どもたちが自立し夫婦二人の生活になっているので、曾我廼家さんの心境にとても共感した。いつでも頼りになって、どんなことでも相談できるのは夫である。彼は私の性格を熟知しているので、的確な言葉がもらえるし、それが真実なのに私が傷つくことはない。彼の言葉を私が素直に受け入れられるからだろう。有難い存在である。  子育て中は、夫に対していろいろ不満もあり、こうしてくれればいいのに、ああしてくれればいいのにという、わがままな気持ちが往々にしてあった。今はお互い健康に気を付けて、一日でも長く二人で暮らすことが、何よりの幸せだと思っている。夫も家族写真なんて撮る人ではなかったのに、私が昼寝している顔をこっそり撮って、子どもたちに送ったりしている。  20歳で結婚された曾我廼家さんが、若い頃より今のほうが奥さまを愛おしいと感じる。その気持ちこそが二人で生きてきて、これからも生きていくことの醍醐味ではないだろうか。夫が一人になって淋しそうなのは可哀想過ぎるので、誰かの歌じゃないけれど、一日でも長く私が長生きしようと今から決めている。  (土性里花・グループPEN代表)

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