村のおばぁさんが亡くなった。その葬列について村の墓地へ一緒に行くことになった。すると母(のように慕っているおばさん)が私のポケットに、繭をこっそり入れてくれた。「この繭が悪い霊や精霊から身を守ってくれるよ。無事に帰って来れますように」
ポケットの繭をにぎりながら、他の村人と同じ行動をし、霊や精霊の怒りをかわないように細心の注意を払った。
ラオスに来て、人の生死や動物のトサツに度々関わるようになってから、恐怖心のようなものが消えつつあった。自然の流れの一部であって、恐れるべきものではないと。しかし、恐れ、畏れを抱くことは、命を失った者や精霊へ敬意を払うことになるのかもしれない。そう感じた。
写真・棺を見送る人々
↧